2024年度、能登高校の地域みらい留学生(高2留学4期生)たちは、能登半島地震からの復旧・復興に貢献しようと、自らの意志で数多くのボランティア活動に取り組みました。地震直後から1年を通じて、「今、自分たちにできること」を模索し続けました。
4月には金沢で行われたチャリティーサッカーイベントで運営補助を務め、続くゴールデンウィークには柳田植物公園での子どもの遊び場支援や、鵜川地区での災害ボランティア(家財出し)にも参加しました。5月以降も、宇出津や柳田など被災地各地での家財出しや泥出し作業に力を尽くしました。
夏には、留学生の母校でもあるドルトン東京学園の生徒と協働し、輪島塗の洗浄や土塀づくり、お茶会での傾聴活動など、文化的な支援や心のケアにも関わりました。被災地の小学校での子ども遊び場サポートにも協力し、地域の子どもたちの笑顔を守る活動に尽力しました。
秋から冬にかけても活動は途切れることなく続き、他県の高校生との連携による泥出しや雪囲い、公民館でのサロン活動支援など、地域住民の暮らしに寄り添った支援を続けました。2月には珠洲や宇出津で行われた落語会でも運営サポートに携わり、地域に笑顔と温かさを届けました。
これらの活動はすべて、特別な指示があったわけではなく、地域とともに過ごす「留学生」としての責任と想いから始まりました。日々の学校生活と両立しながら、率先して被災地支援に関わったその姿は、地域の方々や災害ボランティア団体の方々から感謝と称賛の声が寄せられています。
参加した留学生が口にしたのは、「誰かの役に立ちたい」「困っている人を前に、何もしないではいられなかった」という思い。
高校生だからこそできること。地域とつながっているからこそ届く気持ち。能登で学ぶことは、教室の中だけではありません。
地域のこえに耳を傾け、自分の手で動き、心で向き合う——。
そんな日々のなかで、留学生たちは「学ぶことの意味」や「自分がここにいる理由」を見つけていきました。
「地域に飛び込むって、こんなに濃くて、あたたかい」。
これが、震災の中でも歩みを止めなかった、2024年度の能登高留学生のリアルです。